設計のこだわり
[2015年12月22日]
こんにちは。獣医師の平松です。前回のブログでは、病院の設計について書かせて頂きました。今回は、具体的にこだわって作った部分の一部を紹介させて頂きたいと思います。
まずはこちら!
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画像は処置室にあるスーパーシンク(処置台)です。こちらのスーパーシンクの上で消毒や採血などのあらゆる処置を行ないます。動物病院ではよくある設備なのですが、何がこだわりかというと、アイランド型に設置したことです。
スーパーシンクには水栓が付いているため、給排水の関係で壁にくっついた状態での設置が一般的なのですが、アイランド型にすることで周りをグルグルまわる事ができ、行き止まりがなく動線がスムーズになります。
通常、アイランド型にするには床下が必要です。しかし梨の木どうぶつ病院では、なるべく段差のない病院を目指しましたので、床下がありません。そのため、給排水のパイプを通すのに「床はつり」という床下のない建物でもパイプを通せるような特殊な施行をしています。
また、一般的なスーパーシンクは長さが120cmなのですが、こちらで使っているものは150cmと大型です。そのため、大型犬の一般処置や、麻酔準備室として麻酔導入・毛刈り・滅菌・歯科処置をここで行なえるなど、幅広く対応できるようにしています。
さて、次はこちらです!
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上の画像は手術室からX線室を見た様子です。このように手術室とX線室を隣接させることで、骨折整復時などの術後X線検査が必要な場合にもスムーズに検査へ移行する事ができます。
また、手術室の床を青色にしました。これにも訳があります。手術中は切迫した状態になることもあり、術創の赤い色を見続けると精神的に疲労が蓄積すると言われています。そのため、床の青い色が自然と目に入ることで術創の赤い色が中和され、落ち着いた状態が維持されるのです。
次はこちらです!
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床材が壁まで40cmせり上がっています。これは、犬はどうしても壁を見るとおしっこをかけたくなるためで、壁紙に排尿されるとシミになり不衛生になりがちですが、抗菌作用のある床材ならおしっこをしても拭けばすぐにキレイになり、衛生的です。
また、入り口は風除室が設けられており、入り口を入って更に自動ドアを開けて受付・待合室という構造になっています。これは犬や猫が待合室からいきなり外に飛び出してしまわないための二重扉構造です。扉一つ突破したらすぐ外!だと交通事故にあったり失踪してしまう可能性が高まるため、安全のためにこのような部屋を作りました。
そして最後がこちら!
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画像は第二診察室から処置室を見ている様子です。ご覧の通り、診察室と処置室を隔てる壁がありません。壁がないことで診察から処置への移行がスムーズにでき、飼い主様が処置の様子を見る事もできます。
現在は常駐している獣医師が僕一人のため、メインの第一診察室を使うことが多いのですが、一緒に働いてもらえるドクターが見つかった暁には、X線モニターや大型診察台などを整備し、こちらの第二診察室もフルで稼働させたいと思います。
自分の病院のことを色々語り始めると、止まらなくなってしまうため、今回はこの辺りで終わりたいと思います。また機会があれば、その2、その3を書かせて頂きたいと思いますので、宜しければお付き合い下さいませ!
獣医師 平松