ビビの家出
[2013年05月16日]
こんにちは。獣医師の平松です。
以前、埼玉県の病院で働いていた時の話です。
その時、嫁はビビという三毛猫を飼っており、とても可愛がっていました。
当時はまだ結婚しておらず、別々に暮らしていたわけなのですが、そんなある日のこと。
僕の携帯に嫁から電話があり、「ビビがいなくなっちゃったんだよぉ~!家に帰ってきたら窓が開いてて…」と言いました。
その時僕は、高校時代の仲間と久々に飲んでいて、近況報告などしておりました。
いい気分で飲んでいたところに、大層取り乱した様子の嫁。
嫁を落ち着かせようと、
「そうか。あいつは最近、小生意気だから、外へ出て世間の世知辛さを知った方が良い」
などと言うと、「ちょっとふざけないでよ!!」と本気で怒られる始末。
そのため、急遽嫁の家に行き、猫探しをすることになりました。
家の周囲や近隣を探しましたが見つからず。
夜遅いこともあり、次の日に持ち越すことになりました。
次の日。
嫁は仕事に行き、僕は休みだったため、一人で迷子のビビを探しました。
外は真夏の炎天下。
犬なら帰ってきそうですが、外に一回も出たことのない猫が果たして帰って来ることができるのか。
ひたすら探しました。
僕もなんだか眩暈がしてきました。
あの甘ったれのことだから、そう遠くへは行っていないのではあるまいか。
そう思い、また家の周囲を目を皿のようにして探しました。
不審者全開で近所を捜索しましたが、ついに見つからず。
そこで作戦を変更し、玄関を開けっ放しにしてご飯を置き、部屋で待ってみることにしました。
待つこと一時間。
玄関から、チリーン♪と鈴の音がしました。
見に行くとビビがいます。
こうしてまんまと捕獲したのでした。
いやー良かった良かった。
交通事故が本当に心配でしたが、無事でなによりです。
一回も家を出たことのない猫でも、ちゃんと帰って来るものなんだなと、勉強になりました。
ビビは少し疲れたようで、水をガブガブ飲みました。
よしよし、これに懲りて今度からはちゃんと言うことをきくんだぞ。
次に、嫁とどう感動的な対面をさせるかです。
これからはビビを甘やかせず、太らせないよう誓わせてから会わせるのはどうでしょう。
しかし、色々策を練っている間に、意外にも嫁が早く帰ってきてしまい、あっさり対面。
涙の再開となりました。
これからはきちんと窓のカギは閉めるように。
獣医師 平松