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整形外科セミナー

[2016年06月19日]

こんにちは。獣医師の平松です。16日、17日はお休みを頂き、大宮にて整形外科セミナーに参加してきました。

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↑ 講義が行なわれた大宮ソニックシティビル。

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今回は、TPLOと呼ばれる前十字靭帯断裂の手術の講義・実習を、二日間にわたり受講して参りました。講師陣は、日本や世界の獣医整形外科の第一線で活躍されている整形外科専門の先生方で、興味深く講義を受けさせて頂きました。

前十字靭帯の損傷による後肢の跛行が発生した場合、その治療法にはいくつかの選択肢があり、鎮痛剤と運動管理による内科療法や、手術による膝関節の安定化などの方法があります。手術の方法も、ナイロン糸などの医療素材を損傷した靭帯の替わりになるよう設置する方法や、脛骨(スネの骨)を骨切りし、角度を変えて固定することで力学的に膝関節を安定化するTPLOなどの方法があります。

様々な治療方法がある中で、近年このTPLOが最も治療成績が良いことがわかってきました。そのため、ほとんどの専門病院では、このTPLOが行なわれています。

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上の画像は脛骨(スネの骨)を横からレントゲン撮影した様子です。沢山の線が引かれていますが、TPLOを行なう際には、様々な計測を行ない、脛骨のどこを切り、どのぐらい角度を変えて固定するかを決定します。

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上の画像は、今回の実習でTPLOを行なった後の骨模型です。

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このように、脛骨の上の方を半円状に切り、決められた角度ずらし、そして特殊なプレートにより固定しています。こうすることで膝関節が安定化し、跛行が大きく改善されます。

なぜ角度を変えると跛行が改善するかは、説明し始めると長くなりますので、ご興味がある方はお問い合わせ下さい。この手術は梨の木どうぶつ病院でも実施することができます。

二日間お休みを頂き、飼い主様にはご迷惑をおかけしましたが、非常に勉強になりました。今後も機会があれば勉強会に参加させて頂き、日々の治療に役立てて行きたいと思います。

獣医師 平松