寛骨臼骨折
[2018年03月06日]
寛骨臼骨折
症例は4ヶ月齢の猫、未避妊メス。いつの間にか右後肢を引きずるようになっていたとのことで来院しました。触診では右後肢に伸展痛があり、X線検査を実施しました。
すると骨盤の寛骨臼に骨折が認められました(赤矢印)。骨盤骨折を起こした場合、歩様が悪化するだけでなく、折れた骨盤の骨が内側へ入り込んでしまうことで骨盤狭窄を起こすことがあります。そうなると大腸の通り道が狭くなり、重度な排便障害・慢性的な便秘を起こす可能性があります。
そのため、手術により骨折部の整復・プレート固定を行いました。
寛骨臼プレートとよばれる専用のプレートを用いて骨折部の固定を行いました。以降、症例は跛行がおさまり、排便障害も起こしていません。
この症例は関節内の骨折のため、今後は関節炎の発生を時々チェックしながら、必要に応じてサプリメントの投与や理学療法を行う必要があります。