人工呼吸器搭載麻酔器の選択
[2020年01月31日]
こんにちは。獣医師の平松です。2〜3年ぐらい前から、人工呼吸器付きの麻酔器の導入を考えており、様々な麻酔器をデモで使わせてもらったり、他の病院でいじらせてもらいながら、どの麻酔器を導入するか検討を重ねてきました。
↑ まずデモで使ってみたのが、ACOMA社製の動物用麻酔器「Isepo（イセポ）」です。非常にシンプルで使いやすく、必要な人工呼吸モードも備えています。下段のスペースにエアーコンプレッサーを積むこともでき、酸素とルームエアー（普通の空気）を混合することができます。これだけの機能を備えながらも動物用というだけあってかなりの省スペース、使い勝手はとても良かったです。
↑ 次に試したのが、ドレーゲル社製の「ファビウスプラス」という人間用麻酔器です。Isepoより更に多彩な人工呼吸モードを備え、特殊な麻酔回路により消費酸素・麻酔薬がかなり少なくて済む設計となっております。結構大型ではありますが、思っていたよりもシンプルな使い勝手で扱いやすかったです。著名な小動物外科医も第一に推薦する、信頼の高性能麻酔器です。
↑ こちらはGE社製の「Carestation620」です。近年登場した最新の人間用麻酔器で、多彩な人工呼吸モードを備えながらも比較的省スペース、様々な換気モニターも標準装備しています。動物救急センターで行われた人工呼吸器実習セミナーで使わせて頂きましたが、こちらもシンプルな使い勝手でとても良かったです。
さて、どれを選ぶか。各麻酔器はどれも高性能ですが、すごく高額な機器なため、失敗は許されません。とても悩みました。
相当多彩な人工呼吸モードを備え、安全性能の自己診断までしてくれ、底流量麻酔器機構で消費酸素・麻酔薬が少なくて済むドレーゲルのファビウスプラス、またはGEのケアステーション620か、はたまたエアーコンプレッサーを搭載してもなおかなりの省スペース、必要な人工呼吸モードも備えた動物専用機のイセポか。
検討に検討を重ねた結果、今回選んだのはGE社製の「Carestation620」でした。やはり多彩な人工呼吸モードを備えながらも比較的省スペースな点、様々な換気モニターを標準装備しておりボタン配置や使い勝手が自分好みである点、そしてGEは日本に自社工場があるため、何か不具合が発生した時にすぐに国内で対応してくれる点が決め手となりました。
搬入は2月上旬の予定です。この高性能人工呼吸器搭載麻酔器を駆使し、更に安全で確実な麻酔管理を実践していきたいと思います。
獣医師 平松
