最近のオペの紹介、再び
[2022年06月30日]
こんにちは。獣医師の平松です。前回、前々回のブログではカエルの話題でしたので、今回は診療に関わる話題をご紹介致します。先月同様、今回も最近実施した手術画像をお送りしたいと思います。
一部、手術中の画像も含みますので、傷の画像が苦手な飼い主様は、閲覧にご注意下さい。
症例1:日本猫の足根関節脱臼
↑ こちらはオペ中の様子です。現在、難易度の高いオペはオペレーター・助手・器具出し・麻酔・外回りの4、5名体制で実施しております。
↑ 足根関節が脱臼している様子。外に飛び出し、帰ってきた時には怪我をした状態とのことでした。足根関節の骨は皮膚を突き破っていたため、まず第一段階として麻酔下で露出した骨や軟部組織をパルス洗浄し、後日、感染が治まった頃を見計らって整復手術を行いました。
↑ 医療用スクリューにワッシャーを通して骨に挿入し、それぞれのスクリューにファイバーワイヤーと呼ばれる非吸収糸を締結し、靭帯を再建しました。
↑ X線画像では、ファイバーワイヤーは写らないため、上の画像ではスクリューだけが確認できますが、実際は靭帯の替わりとなるようファイバーワイヤーが巻き付けてあります。
症例2:パピヨンの脾臓摘出
↑ 健康診断のエコー検査にて、脾臓に腫瘤を認めたため、飼い主様と相談の上、摘出することにしました。
↑ オペの様子です。血管シーリングシステムを搭載したサンダービートを導入したため、手術は極めて迅速に進みました。医療機器が進化することで、より安全な手術が実施可能となります。
症例3:ポメラニアンの橈尺骨骨折
↑ こちらは落下事故により橈骨と尺骨が骨折してしまった症例です。骨折した箇所が、手根関節に近い部分であったため、スクリューが打ち込める骨の領域が小さく、手術の難易度はかなり高くなります。
↑ タイタンロックと呼ばれるロッキングプレート・スクリューを使用し、整復・固定を行いました。活発な小型犬は、様々な場所から飛び降りようとするので注意が必要です。
今回も大分長くなってきましたので、この辺で終わりたいと思います。いい加減、症例紹介に載せなければ…、と思ってはいるのですが、いつも通り後回しになってしまっております。勉強になるオペ画像が、まだまだまだまだ沢山ありますので、7月こそは症例紹介のページを更新したいと思います!
獣医師 平松