ペットセレモニーにて
[2023年04月30日]
こんにちは。獣医師の平松です。先日、びにゃんの四十九日を迎え、びにゃんを失った悲しみから家族も落ち着きを取り戻しております。今回は、びにゃんが亡くなってから行ったペットセレモニーについて書いていきたいと思います。
注意:今回のブログでは、びにゃんが亡くなった後、火葬を行った時の話になります。びにゃんの亡骸やお骨の画像も載せておりますので、こういった話題・画像に耐えられない方は、閲覧をお控えください。
動物が亡くなると、やはり遺体が傷んできてしまいます。そのため、季節にもよりますが、3日以内ぐらいにはお骨にするか埋葬する必要があります。自分は過去に実家で犬を飼っていた経験がありますが、その時は亡くなった後は庭に埋めていました。そのため、プライベートでペットセレモニーを利用した経験はありません。
ペットセレモニーは主に火葬や納骨、場合によってはお経もあげてくれるところもあるようで、梨の木どうぶつ病院でも、もし飼い主様から相談があった場合には、そういった施設のパンフレットをお渡ししておりました。しかし、実際のところ利用したことはなく、今回、びにゃんが亡くなったために初めて利用したのでした。
今回利用した施設は、ケンユーペットセレモニーさんです。梨の木どうぶつ病院から西へ1kmぐらい行った通り沿いにあり、昔からよく知っていた施設です。
↑ こちらの画像はケンユーさんのホームページからお借りしております。外観は少しプレハブの様な印象もありますが、中はかなりしっかりとした作りになっています。建物に向かって左側面に入り口があり、受付、待合室、納骨堂、火葬場、収骨場がありました。それぞれの部屋は、自分が思ったよりも少し広く、シンプルな動線で来場者が迷うことなく利用できます。
↑ こちらは火葬炉に隣接した祭壇です。持参したお花をカゴに入れて頂きました。ここで最後のお別れをさせてもらいました。
紙製のお棺にペットシーツやタオルを敷いて、びにゃんを寝かせてお花や猫草を入れて連れて行ったのですが、ペットシーツやタオルが意外にも燃えにくいらしく、それらを一緒に入れることはできないとのことでした。
↑ 祭壇から火葬炉前の移動式の台へ移動し、そこで皆んなでお花や猫草をお供えました。そして職員さんが炉へと移動し、何重かになっていた扉を閉めて火葬が開始されました。
火葬中は別室へ案内され、ソファーに座って待つことができました。外出することも可能です。人間の場合は終了までにたしか2、3時間はかかったと思いますが、猫の場合は50分ほどで終わるとのことでした。
その後、火葬が終了し収骨室へ案内されました。そしてお骨になったびにゃんを見て、とても驚きました。
こんなにも綺麗に、一つ一つの骨が残っているとは…!爪や歯も綺麗に残っていました。職員さんは解剖にとても詳しく、一つ一つの部位を説明しながら収骨のやり方を教えてくれました。
骨壷への収骨が済むと、受付でお会計となりました。位牌も用意できるとのことで、お願いすることにしました。全て滞りなく済ませることができ、びにゃんのお骨を持って帰路につきました。
後日、頼んでいた位牌が届き、また知人がお花など贈り物をしてくれ、びにゃんの祭壇ができました。
こちらの祭壇は今も棚の上に祀ってあります。子供たちが毎日お鈴をならしています。この祭壇をびにゃんも気に入ってくれていると嬉しいです。
今回、びにゃんが亡くなって四十九日を迎え、今まで経験したことのなかったペットセレモニーについて書きました。今回のこの経験により、こういった儀式を行うことで、家族が悲しい気持ちを乗り越える助けとなることが良くわかりました。
穏やかな気持ちを取り戻し、前向きな気持ちで日常生活を送れる様になるための重要な儀式だったのだと、改めて気付かされました。今では子供達も、また猫と一緒に生活したいなと言っています。
今後、また自宅で猫を飼うことがあるかはまだ分かりませんが、縁があればまた一緒に過ごす日が来るかもしれませんね。
獣医師 平松