耳ヒゼンダニ症
[2017年07月03日]
耳ヒゼンダニ症
症例は3歳齢の日本猫、去勢オス。耳を痒がり、血が滲んでいるとのことで来院しました。以下の画像は初診時の外観です。
痒みはかなり強く、耳を後肢で引っ掻き続けたことで、皮膚が損傷し出血していました。耳道を確認すると、黒い乾燥した耳垢が多量に採取され、強い外耳炎を起こしていました。
以下の画像は耳垢を顕微鏡で確認した様子です。
すると、活発に動くダニが多量に確認されました。このダニは耳に寄生し、耳垢や組織液を餌として繁殖するミミヒゼンダニです。このダニが耳に寄生すると、強い痒みが発生し、動物は強いストレスにさらされることになります。
本症例はミミヒゼンダニの駆虫薬を全身投与し、定期的に耳洗浄を行ったことで、ダニがいなくなり外耳炎も治癒しました。同居の猫がいる場合は、他の猫にも感染している可能性があるため、同時に駆虫していくことが重要です。