ロッキングによる橈尺骨骨折整復
[2020年10月10日]
ロッキングによる橈尺骨骨折整復
近年、骨折治療にロッキングシステムという新しいプレート・スクリュー法が開発され、従来のプレート・スクリューよりも固定力や骨へのダメージが少なく、治療成績が上がっています。このロッキングプレート・スクリューを使用した橈尺骨骨折整復を行った症例を3例紹介します。
症例1:パピヨン、7ヶ月齢、目を離していたらキャンと鳴き右前肢挙上。
術前X線画像:右橈尺骨骨幹部骨折
手術所見:Fixin micro ストレートプレートによる整復・固定
術後X線画像
症例2:チワワ、2歳齢、抱っこしていたら飛び降りてしまい、キャンと鳴いて右前肢挙上。
術前X線画像:右橈尺骨遠位端骨折
手術所見:TITAN LOCK T字プレートによる整復・固定
術後X線画像
症例3:ポメラニアン、10ヶ月齢、ソファーから飛び降りキャンと鳴き、左前肢挙上。
術前X線画像:左橈尺骨骨幹部骨折
手術所見:Fixin micro ストレートプレートによる整復・固定
術後X線画像
以上、3症例を紹介させて頂きました。どの子も若く活発な子ばかりで、そのような子ほど飛び降りなどの突発的な動きが多く、結果、急激な衝撃が加わることによって骨折が生じます。
橈尺骨骨折は、骨折の中でも癒合がしにくい部位であり、手術にあたっては手術室の整備や使う機器、消毒・滅菌方法、骨の扱いや手術手技など、可能な限り完璧を期す必要があります。