ビビの定期検診
[2014年06月06日]
こんにちは。獣医師の平松です。このブログでも度々登場している嫁の愛猫ビビですが、実は腎臓に持病があります。多発性嚢胞腎という病気です。これは腎臓に多数の嚢胞が形成され、徐々に嚢胞が大きくなっていき、その嚢胞によって腎臓の正常な細胞が圧迫・障害され、腎機能が低下していく病気です。
多発性嚢胞腎は遺伝子疾患とされ、残念ながら嚢胞形成を止める根本的な治療法は現在ありません。嚢胞が小さい内は腎機能は正常な機能を維持しているため、特に症状はないまま経過しますが、嚢胞が大きくなって来ると慢性腎不全の病態を辿ることになります。
この病気が発見されたのは1歳頃に健康診断を受けさせた時です。元気や食欲も問題ありませんでしたが、エコー検査によりこの多発性嚢胞腎が発見されました。そのため、ビビは将来早い段階で腎不全に陥る可能性が高いことがわかり、食事療法と投薬が開始されました。その後は年に2回、定期検診で嚢胞の大きさや腎臓の数値をチェックしています。
↑ エコー検査を受けるビビ。不満そうです。エコー検査は特に痛くない検査なので、少しの辛抱です。
ビビの腎臓のエコー ↓ もんちゃんの腎臓のエコー ↓
右のモンちゃんの正常な腎層と比較し、左のビビの腎臓には矢印で示したような嚢胞が形成されています。
ビビは今日で6歳になりましたが、腎機能は正常で元気に暮らしています。早い段階で病気を発見したことで、適切な食事管理や投薬ができたことが功を奏したのだと思います。やはり元気があっても定期検診は重要ですね。
これからも定期検診をきちんとして、いつまでも元気に暮らして欲しいものです。
獣医師 平松