聴導犬ぜんちゃん
[2014年07月27日]
こんにちは。獣医師の平松です。犬の中には、ある特別な仕事・任務を持った犬達がいます。ほじょ犬と呼ばれる犬達です。目や耳、身体に障害のある方の生活をお手伝いする、『盲導犬』『聴導犬』『介助犬』がほじょ犬にあたります。ほじょ犬を利用する方をユーザーと呼びます。
梨の木どうぶつ病院にも、聴導犬であるぜんちゃんが通院しています。ぜんちゃんは毎月病院へ来て、フィラリア予防やノミ・ダニ予防を始め、体に何か異常がないか、太ったり痩せたりしていないか細かく健康チェックをします。体調が悪くなってしまうと、ユーザーをお手伝いする仕事に支障が出る可能性があるため、日頃の健康管理がとても重要です。
お利口にしているぜんちゃん。周囲からお仕事中であることが分かるように、聴導犬と書かれたオレンジ色のベストを装着しています。
目覚ましの音や電話の音、チャイム、非常ベルの音などを聞き分け、ユーザーに吠える事無くタッチをして知らせます。道路上では、自動車のクラクションや自転車のベル音などの危険音、銀行や病院などではユーザーの名前が呼ばれたときにもタッチして知らせます。
↑ シャンプーで来院した時のぜんちゃん。シャンプー後のポーズもキマっています。公共の施設を利用できるよう、衛生面も万全です。
ぜんちゃんのような聴導犬などのほじょ犬が活躍するには、社会の理解が不可欠です。ほじょ犬を見かけた時は、無断で触ったり、オヤツを与えたり、じっと見たりしないように気をつけなければなりません。ほじょ犬がお仕事に集中できるよう、皆で協力していく必要があります。
先日バスに乗った時、ユーザーの方とぜんちゃんも乗っているのを見かけました。ぜんちゃんはシートの下でじっとしており、他の乗客の方も特に気にする様子もなくバスに揺られていました。その様子がとても自然で、いたく感動致しました。ほじょ犬達が社会に受け入れられており、とけ込んでいるのを目の当たりにした瞬間でした。こうなるまでには、ほじょ犬を普及させる会の方々や関係者の並々ならぬ努力があったものと思われます。
自分も微力ながら、ほじょ犬の健康管理に携わらせて頂くことで、ほじょ犬がもっと社会に受け入れられるよう協力して行ければと思います。
獣医師 平松