医療機器のデモ機
[2016年02月12日]
こんにちは。獣医師の平松です。動物病院で新しく機材を導入する場合、メーカーにデモ機を持って来てもらうことがあります。医療機器は非常に高額なものが多く、数百万円するものもザラにあるため、導入する前に使い勝手や期待通りの機能を有しているか、十分検討する必要があります。
そこでデモ機を持って来てもらい、実際に使ってみるという訳です。いくつか同じような機能を有する医療機器を比較検討する際にも、カタログを見たり、医療機器メーカーから説明を受けるだけよりも、実際の使い勝手が一番の決め手になります。
梨の木どうぶつ病院で、今後導入を検討している医療機器として、血管シーリングシステムがあります。血管シーリングシステムとは、血管を糸で結ばなくても止血・離断ができる手術機器です。電気メスと同じ原理でシーリングするバイクランプと呼ばれるものや、超音波凝固切開装置(超音波メス)などがあります。
今回はメディスト社製のTessシーリングシステムのデモ機を持って来てもらったため、ご紹介したいと思います。
こちらです。↓↓↓
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こちらの機器は電気メスと同じ原理で血管シーリングするタイプの機器です。クランプ型のデバイス(鉗子のようなやつ)で血管を挟んで、フットスイッチ(黒い丸いやつ)を踏み、血管のシーリングが終わると音で知らせてくれます。シーリングした部分は剪刀などで切開しても出血せず、糸を使わずに安全に止血・離断ができます。
メディストの営業マンが、スーパーで売っている豚肉を使って使用方法を説明してくれました。
上の画像のように、シーリングしたい部分を挟みこみ、フットスイッチを踏みます。すると、ほんの2、3秒でシーリングが完了し、音で知らせてくれます。
シーリングされた箇所は、上の画像のように白っぽくなります。これでシーリング完了です。あとはこの部分の真ん中あたりを剪刀で切開するだけです。
糸で結紮して止血するよりも、断然はやく、手術時間の短縮に役立ちそうです。腹腔内腫瘍の摘出といった結紮が多い手術や、結紮しにくい箇所での止血など、適応範囲も広く、導入を検討しております。オリンパスなどの他メーカーでも、様々な血管シーリングシステムが開発されているため、デモ機を持って来てもらうよう依頼してあり、これから比較検討する予定です。
今後もデモ機を利用し、良い医療機器は順次導入していきたいと思います。
獣医師 平松