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動物用ICUの選択

[2016年02月22日]

こんにちは。獣医師の平松です。最近、医療機器関連のブログが多めですが、今回も医療機器についてです。以前よりブログで話題にしているように、最新鋭の動物用ICUシステムを導入するべく、各メーカーのICUの比較検討を行ってきました。

上の画像は太陽電子の動物用ICUシステム「アルタス2」です。左は小型犬・猫用で、上段・下段の2部屋、それぞれで酸素濃度調整と空調管理ができます。右はさらに中型犬・大型犬にも対応できる大型ICUで、こちらも上段・下段それぞれで酸素・空調管理ができます。

太陽電子のICUの良い点は、とにかく壊れにくいということです。高額な医療機器を導入する際、壊れにくいというのは非常に重要なポイントです。どんなに良いものも、すぐ故障するようでは使い物になりません。知人の病院で使用している太陽電子のICUは、既に10年以上使用しているが、一度も不具合が出たことがないと聞きました。すごいです。

さて、次は東京メニックスの動物用ICUシステム「メニオス」です。↓

東京メニックスのICUではタッチパネルが採用されています。左のICUは猫・小型犬・中型犬に対応しており、上段・下段ともそれぞれ酸素・空調管理ができます。右のICUは大型犬にも対応しています。

東京メニックスのICUの良い点は、酸素・湿度・温度の調節がより細かくできる点、そして右のICUでは、下段のしきりをつければ両方の部屋でそれぞれ別の酸素・空調管理ができます。つまり、3部屋それぞれ独立した管理ができるのです。これなら酸素吸入が必要な症例が重なって来院した場合にも安心です。

こちらはダイキンのICUで、既存の犬舎の扉と付け替えることで、その部屋がICUとして使えるようになります。他メーカーのICUと同様、酸素・空調管理が行なえます。

ダイキンのICUの良い点は、既存の犬舎の扉を付け替えるだけなので、ICUのための新たなスペースを必要とせず、また安価に導入が可能なところです。必要な部屋分だけICUが増設できますが、大型犬には対応していません。

主に上記3つのICUで導入の検討をしてきました。どのICUも強みがあり、魅力的です。動物用ICUにはデモ機がなく、試しに使ってみることはできなかったため、導入している知人の病院の評判や、学会などで展示している機械をいじらせてもらい、比較検討しました。

その結果、東京メニックスの大型犬対応ICU、「メニオス」を導入することに決定致しました。他のICUと比較し、高額な機器ではありましたが、酸素・空調管理がより細かく調節できる点、3部屋をそれぞれ独立して異なる空調管理ができる点が決め手となりました。

3月中旬ころ病院へ納品される予定です。このICUが、たくさんの動物たちの命を救ってくれることでしょう。期待しています。

獣医師 平松