電波メスのデモ機
[2016年09月30日]
こんにちは。獣医師の平松です。先日、日本臨床獣医学フォーラムに行って参りましたが、企業展示の会場ではたくさんの最新医療機器に触れることができました。その一つに、ellmanの電波メス「サージトロン」があります。
電波メスとは、電気メスと同様、電気の力で切開・凝固ができる手術機器ですが、電気メスより電波メスの方が周波数が高く、組織が焦げにくいという利点があります。組織損傷が少ないため、人医領域では形成外科でよく使用されています。
僕がかねてから欲しがっていた、血管シーリング機能も備えているため、早速デモ機を借りることにしました。
上の画像が電波メス「サージトロン」です。見た目は普通の電気メスとあまり変わりありません。
デバイスも様々な形状が用意されています。一番左の鉗子のようなデバイスは、血管シーリング用です。他、ピンセットのようなバイポーラと呼ばれるデバイス(左から二番目と三番目)、メスのようなモノポーラと呼ばれるデバイス(一番右)があります。
上の画面は、モノポーラを使用する際に必要となる対極板です。動物の体の下に敷いて使用します。左の黒い方が電気メスの対極番で、使用する際は濡れたガーゼなどで包んで、動物に密着させます。電気がよく通るよう、動物の体も少し濡らす必要があります。
それに対し、右の白い方が電波メスの対極板です。こちらは電気を通すというより、アンテナのような役割とのことで、電気メスの対極板のように濡らす必要がありません。そのため、対極板を入れることによって動物の体が冷える心配がありません。体温が下がりにくいというのは、猫や小型犬の手術を行う際、とても安心です。
早速、手術室に設置しました。以前、デモ機を借りたオリンパスの電気メスより小型のため、棚に収まりました。明日からの診療に早速使わせて頂き、使い勝手を確認していきたいと思います。
獣医師 平松