循環器の院内セミナー
[2018年01月20日]
こんにちは。獣医師の平松です。先日、また循環器医の高野先生に来ていただき、今月も循環器診療を行いました。循環器診療では、X線検査(レントゲン検査)、心電図検査、血圧検査、血液検査などを行いますが、その中でも超音波検査(心エコー検査)が重要な鍵を握っています。心エコー検査では、患者に侵襲(ダメージ)を与えることなく、心臓の形態・動き・血流を画像や数値として捉え、心臓の機能を評価することが出来ます。
そんな優れものの心エコー検査ですが、欠点としては、検査する獣医師によって得られる情報量が、かなり左右されることが挙げられます。つまり、より心エコー検査に精通した獣医師であればあるほど、心臓の評価がより細かく、より正確に行うことができるということです。そのため、心エコーを行う獣医師は日々、勉強と心エコー技術の鍛錬を行わなければなりません。
今回は、梨の木どうぶつ病院全体としても循環器臨床のレベルアップを図るべく、院内で循環器セミナーを実施してもらいました。
まずは理論から講義してもらいました。パソコンでスライドを見ながら、心エコーの当て方から、評価の方法、最新の知見を話してもらいました。理論が分かったところで、次は実際に心エコーの実習です。
今回は看護師さんの愛犬に協力してもらい、心エコー実習を行いました。腹部エコーもそうですが、エコー検査は、検査に精通した獣医師に適宜指導されながら自分で当てないと、絶対にできるようにはなりません。
自分も過去には、麻布大学全科時代に心エコーの実習を受けたり、獣医イメージングサポートという会社主催の心エコー実習セミナー(全6回)に参加し、心エコーを勉強してきました。しかしそれでも、日々の循環器診療の中で、より評価しやすい画像の描出方法や、描出した画像の解釈など、判断に迷うことがありました。
今回は院内セミナーですので、これまで疑問に思っていたこと、過去に判断に迷った症例など、多くの質問を専門家である高野先生にぶつけ、全部答えていただきました。本当にとても勉強になりました。
今後も定期的に勉強会を開催し、さらに循環器診療の理解を深めて参りたいと思います。そして、心臓病の動物たちが、一日でも楽しく長生きできるサポートが出来ればと思います。
獣医師 平松