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整形外科パワーツール

[2018年07月14日]

こんにちは。獣医師の平松です。毎日暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今月はまだ一回もブログの更新をしておりませんでしたが、気がつくともう7月も中旬にさしかかってしましました。そんな訳で、いつも通りいそいでブログを更新したいと思います!

今回は骨折や脱臼の手術の際に使用する、整形外科パワーツールの話題です。整形外科パワーツールとは、電動で動き骨を操作する医療機器のことで、骨に穴を開けるドリルや、骨切りを行うためのサジタルソー(ノコギリ)、骨を掘削するラウンドバー(歯科で歯を削る例のアレのような機器)などがあります。

梨の木どうぶつ病院では、サジタルソーやラウンドバーはオサダメディカルのパワーツールを使っており、椎間板ヘルニアや骨頭切除、膝蓋骨脱臼の手術などに使用しています。こちら。↓↓↓

一方、骨折や脱臼の手術で骨に穴を開けるためのドリルに関しては、IMEX社とmakitaがコラボで作っている医療用電動ドリルを使用していました。こちら。↓↓↓

こちらのドリルは開業時より使用しております。医療用に認可されている割に非常に安価であり、滅菌にももちろん対応、バッテリー駆動なので煩わしいコードがなく、トルクがかなり強いため大型犬の骨にもドリリングがスムーズです。

このパワーツールを使って、数多くの整形外科を行ってきました。しかし、問題点としてはヤコブスのため、ドリルビットやピンをセットするのにやや時間がかかることが挙げられます。

↑ ドリルビットをセットし、ヤコブチャックで締めているところ。ドリルビットやピンを替える度にヤコブスを緩め、またセットして締めるという操作を繰り返さなければならず、それが多少煩雑に感じることはありました。

また、このドリルでは正回転と逆回転の切り替えはできるものの、オシレートと呼ばれる正回転・逆回転を高速で切り替えながら骨に穴を開けるという機能がなく、椎体の深い部分にピンを挿入したい時などはやりにくさを感じておりました。

近年では、他の動物病院より整形外科手術の症例をご紹介頂くことも多くなったこともあり、より多くの種類の整形外科手術、更に精密でスムーズな手術が行えるパワーツールの必要性を感じておりました。

そこで今回、IMEX.makitaのドリルに代わる、新たなパワーツールを導入することにしました。候補としては、医療機器の老舗メーカーのstryker「CORE」、nkanishi「Primado2」、DePuy Synthèse「ColibriⅡ」などが挙げられます。ブログが長くなってきたので、今回はこの辺で。次回は候補のパワーツールについて書きたいと思いますので、宜しければお付き合い下さいませ!

獣医師 平松