高周波電気メスのデモ
[2020年06月18日]
こんにちは。獣医師の平松です。6月もいつのまにか中旬を過ぎましたが、ブログを一回も更新しておりませんでした。今月もブログ更新月3回のノルマを達成すべく、焦りながら書きたいと思います!
以前より、血管シーリング機能のある手術用機器を探しておりましたが、今回はエルマン社製の高周波電気メスのデモ機を借りて使わせて頂いたため、紹介したいと思います。コチラ↓↓↓
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本体、フットスイッチ、対局番、様々なデバイスのセットとなっております。こちらのブログの読者の中には気がつかれた方もいるかもしれませんが、実はこの電気メスは2016年にも一度デモ機を借りて使用したことがあります。(2016年9月30日のブログ参照)
その時は血管シーリング機能が少し弱く感じ、導入を見送りました。今回はその血管シーリング機能のあるクランプ型のデバイスが改良されたので、改めて試してみることにしました。
↑ こちらが改良されたクランプ型のデバイスです。以前のものよりも血管を挟む面積が大きくなり、挟める長さも長くなりました。この他にも、ピンセット型のデバイスやハサミ型のデバイスなど多様なものがあり、術創の止血や切開に使用することができます。
今回は2週間ほどデモ機を貸して頂き、様々な手術を行いました。以前の小さいクランプより血管シーリング機能が向上し、避妊手術や去勢手術に安心して使用することができました。その他、口蓋裂整復といった口腔外科や乳腺腫瘍切除、鼠径ヘルニアなどの軟部外科、また骨折や環軸亜脱臼などの整形・神経外科にも使いましたが、通常の電気メスの機能としても問題ないようです。
このエルマン社製の高周波電気メスは、通常の低周波の電気メスよりも組織障害が少なく、人医療の領域では形成外科に使用されるケースが多いようです。口腔内粘膜などのデリケートな箇所にも、侵襲が少ないためにスムーズに切開・止血ができます。
ただ、エルマンの血管シーリングは自動で通電をストップしたり、シーリング後に自動で組織を切離する機能はなく、術者がシーリング状態を確認して外科剪刀で切離する必要があります。その辺りはオートではなく、あくまでマニュアル操作のため、術者はある程度手術に精通している必要はあります。
しかしこれだけの機能を備えながら、コストパフォーマンスは相当良い機械です。他メーカーの電気メスや超音波メス、またサンダービートと呼ばれる電気メスと超音波メスが合体したようなシーリングシステムを有した機械もありますが、どれも数百万円の高額機械となっております。
どの機械を選ぶかはまだ検討段階ですが、これからもいくつかのメーカーにデモを頼み、良い機械を選んで行きたいと思います。
獣医師 平松