動物用X線透視システムの検討
[2024年11月19日]
こんにちは。獣医師の平松です。前回、レントゲン検査においてX線フィルムやカセッテを必要としないDRというシステムについて書きました。このDRであれば、X線撮影後に数秒で画像確認ができ、すぐに次の撮影に移ることができます。また、得られるX線画像もものすごく鮮明であり、被爆線量も少なく抑えることができる優れものです。
今回、このDRを導入することを検討しているわけですが、それに合わせてX線撮影装置の方も透視機能付きのX線撮影装置にアップグレードすることを検討しております。
透視とは、X線を連続的に照射することにより、X線画像が動画のように連続して撮影でき、関節の動きや気道の動き、X線造影検査などで診断精度を上げることができます。現在狙っている動物用X線透視システムのカタログが、コチラ。↓↓↓
こちらはヒューベスが出している動物用X線透視システムです。X線を出す側の装置が、通常のX線撮影に加え、X線連続照射による透視検査も可能となります。また、それに対応したDRも来月リリース予定です。
透視では、X線画像を動画のように連続して確認することで骨や内臓の動きをリアルタイムで見ることができるのが強みです。しかし、従来の透視では、画像はブラウン管に映し出されたものを観察する仕様となっており、録画などはそのブラウン管をスマホなどのカメラで撮影する必要がありました。
しかし来月リリース予定の透視対応DRシステムでは、透視データをその場でデジタル処理・画像化してくれ、得られたX線動画を後から必要なカットだけ残したり、X線動画を診察室で飼い主さんに後から見てもらったりすることができるようになります。これにより、mm単位の撮影角度の調整が瞬時に可能となり、またインフォームドコンセントにも大変役立つものと思われます。
しかし、そういった最先端の高性能医療機器はやはり高額です。特にこの動物用X線透視システム(透視付X線撮影装置、透視対応DR)は、これまで梨の木どうぶつ病院で導入した医療機器の中でも、桁違いに高額となっております。そのため、ちょっと思ってたのと違った…といった失敗は絶対に許されません。
そんなわけで先日、医療機器メーカーにデモ画像や装置の一部を持ってきてもらい、デモを行いました。コチラ。↓↓↓
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↑ こちらはX線撮影台を待合室に持ってきてもらい、使い勝手や機能を業者さんに聞いている様子です。撮影台の構造や動きなどを確認しています。
↑ こちらは撮影した実際の画像の画質を確認している様子です。さすがにX線照射をする管球自体はデモをすることができなかったため、他施設にて撮影した画像データを確認しております。
↑ こちらはX線室にて、現在使っているX線撮影装置との違いを説明してもらっている様子です。撮影台の大きさや操作盤の違いなど、細かいところを確認したおります。
デモを通して、この動物用X線透視システムがかなり良さそうということが分かりました。あとは資金計画によりこの設備が導入できるかどうかが重要です。資金計画がうまくいき、良い設備が導入できるよう、今後も頑張りたいと思います。
獣医師 平松